モノの捉え方

えんとつ町のプペル 西野亮廣エンタメ研究所【過去記事】

僕が勉強している西野亮廣エンタメ研究所内の記事は1年後から使用していいことになっています。
全ての記事ではありませんが、これは君たちに残しておいた方がいいかもしれないと思う記事はここに載せておきます。ぜひ参考にしてみてください。

本題の前にお知らせさせてください。
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4月22日(木) ※4月24日以降は『いいね』を押さないでください。

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おはようございます。

「100g当たり5kcal未満(飲料の場合は100mL当たり5kcal未満)であれば【ゼロカロリー】と表記してもいい」というルールって何?と思っているキングコング西野です。

さて。

今回は『キンコン西野の新作絵本 〜衝撃ハチャメチャ大作戦!〜(前編)』というテーマでお話ししたいと思います。

 

日曜日の投稿(コラム回)とは真逆の、ビジネスアクセルをベタ踏みする回です。

たぶん結構面白い話になると思うのですが、「前提」をキチンを踏まえておかないと、「おお、なるほど!」とならないと思うので、今日と明日で「前編/後編」に分けて、今日は、「『前提』を整理する回」とさせてください。

本日は助走で、シュートは明日バチコーン!と決めます。

 

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▼ 絵本の可能性を整理する

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まずは、僕が「絵本」というエンタメに見出している可能性について、あたらめて整理しておきたいと思います。

数ある日本のエンターテイメントで、ビジネスモデルとして感心せざるをえないのは、やっぱり『漫画』です。

 

中でも、「週刊誌で連載→人気漫画に育てあげる→T Vアニメ化→映画化」の黄金パターンは向かうところ敵なし。

「漫画原作を映画化したところで、『一話完結モノ』じゃないから、映画作品としては…」という批判もありますが、どっこい、今年の日本アカデミー賞の最優秀作品賞(アニメーション部門)は『鬼滅の刃』です。

ついでに言うと、日本映画の興行ランキングの上位は、ほぼ「漫画原作」。

「いやいや、それでも、『一話完結モノ』じゃないアニメーション作品は、海外に売り込むのは厳しい」という指摘もありましたが、Netflixがその常識をブチ壊してしまいました。

 

「世界展開する際、わざわざ海外の映画配給会社に売り込まなくても、Netflixでいいじゃん」という風は日増しに強くなっています。

コロナ禍で更に。

(※「ビジネスモデルが凄い!」という話をすると、「作品の中身は…」という風に聞こえちゃうかもしれませんが、「作品の中身も間違いなく面白い」ということを併せてお伝えしておきます。くれぐれも!)

弱点がなかなか見当たらない『漫画』ですが、それでも無理矢理弱点を探すとしたら、思い当たるのは「超長期連載になると新規ファンを獲得しづらい」ぐらい。

20巻ぐらいで連載が終わってくれれば「ここまで話題になってるし、ちょっと読んでみようかしら」となりますが、さすがに「全100巻です!」となると、奪われる時間がチラついてしまって、なかなか手をつけづらい。

Netflixしかり。

もう一つ言うと、「I P展開(ゲーム化など)できない漫画は読者と共に老いていく」という歴史があります。

これは、まぁ、漫画に限った話じゃないですが、「完結した作品」は時が止まっている為、どうしたって新規ファンを獲得し続けるのが難しい。

 

『鬼滅の刃』が漫画売り場から先輩漫画を追いやったように、

『呪術廻戦』が漫画売り場から先輩漫画をおいやったように、

近頃話題の人気小説が、小説売り場から先輩小説を追いやったように……作品市場では諸行無常の交代劇が常におきていて、おごれる者も久しからず。

基本、「新規ファン」は、「その時もっとも流行っている作品」が獲得します。

ところが「絵本」だけは、それとは違った様相を呈しています。

絵本市場において、「新規ファン」を獲得しているのは「その時もっとも流行って作品」ではなく、「定番作品」です。

 

日本だと『はらぺこあおむし』や『ぐりとぐら』や『いないいないばあ』…などなど。

どれも“半世紀前”に出版された作品ばかり。

ここでは祇園精舎の鐘の音が鳴り響いておらず、おごれる者がおごりっぱなし。

 

買い物で失敗したくないお母さんは、「自分が子供の頃に読んでもらってハマった絵本」を自分の子供に買う傾向が強いので、それが大きな要因でしょう。

 

西野は、ここに目をつけました。

「【定番絵本】を生みだして、新規ファンを獲得し続けてくれる【定番絵本】を軸足にエンタメを横展開していけば、展開した先のエンタメにもお客さんが流れ続けてくれるじゃん」

です。

漫画だと、これがなかなか難しくて、たとえばミュージカル『幽遊白書』をやっても、客席には僕世代の中年がズラリと並び、この客層は年々上がり、集客は先細りしていきます。

 

ということで、僕らが仕掛ける全てのエンタメの玄関口に、「新規ファンを獲得し続けてくれる絵本」を置こうと考えたわけです。

 

この説明は、これまでも散々してきましたが、今回の話の下地としてヒジョ〜に重要になってくるので、頭に叩き込んでおいてください。

 

僕が絵本に見出した可能性は、「定番絵本は新規ファンを獲得し続ける(作品の認知を増やし続ける)」です。

 

この他にも「おみやげになる」「ギフトになる」「インテリアになる」などの意味変(「読み物」という理由以外で買っていただける)があったりしますが…今回はその話は割愛させてください。

 

 

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▼ 打ち出し方を整理する

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絵を真ん中においたエンタメは「文字(音声)」と「イラスト」で構成されていることが多いですが……この二つが、「セパレートになっているか? それとも、ユニットになっているか?」で分けると、いろいろと打ち手が見えてきます。

たとえば《漫画》。

漫画は【絵】の上に「吹き出し」や「擬音」や「説明」といった【文字】がのっています。「ユニット」ですね。

 

《絵本》はどうでしょう?

【絵】の上に【文字】がのっている絵本もあれば、「イラストページ」と「文章ページ」が完全に分かれている絵本もあったりします。

 

「ユニット」になっている絵本もあれば、「セパレート」になっている絵本もある…といった感じですね。

 

《アニメーション》は、『映画 えんとつ町のプペル』のように、【映像】の上に【音声(音楽)】がのっているアニメーションもあれば、【映像】単体で成立している抽象的なアニメーションもあります。

映像も「ユニット」と「セパレート」で分けて考えることができます。

 

一方、《絵画(アート作品)》は、基本、「セパレート」です。

 

美術館などにいくと、僕らは「キャプション(解説)」を読んだりしますが、「キャプション」は額縁の外にあります。

ゴッホの「ひまわり」の【絵】の上や、

ダ・ヴィンチ「モナリザ」の【絵】の上には、【文字】は一文字もないんですね。

 

 

ならば、《西野の絵本》はどうでしょう?

西野の絵本は「イラストページ」と「文章ページ」で完全に分かれています。

絵本を開いて、左側が文章ページで、右側がイラストページという感じです。

時々、見開き両面がイラストページの場合もありますが、その時、そこには【文字】が入っていません。

西野の絵本は「セパレート」なんですね。

 

 

整理すると、ザックリとこんな感じです↓

 

【ユニット】

漫画、商業アニメーション、多くの絵本

【セパレート】

絵画、抽象アニメーション、西野の絵本

 

 

さて。

 

ここから、僕がどういった答えを割り出したか?という話なのですが………

「漫画だから、こう仕掛ける」「絵本だから、こう仕掛ける」といった区切り方ではなく、 

僕は、「ユニット作品だから、こう仕掛ける」「セパレート作品だから、こう仕掛ける」といった区切り方をしてみることにしました。

(ところで…こんな話、興味あります?)

つまり、【セパレート】に分類されている西野の絵本を打ち出していく時に参考にするべきは、【ユニット】に分類されている「多くの絵本」ではなくて、

【セパレート】に分類されている「絵画」や「抽象アニメーション」であると。

 

西野の絵本の売り方を考える時には、 

「ちなみに『いないいないばあ』って、どうやって売ってるっけ?」

と考えるのではなく、

「ちなみに『モナリザ』って、どうやって売ってるっけ?」

と考えた方が、“転用できる事象”が多い。

 

 

そんなこんなで『絵本展』です。

国内外で『光る絵本展』という個展を当たり前のようにやっていますが、そもそもあれは「イラストページ」と「文章ページ」が分けられているから成立しています。

 

絵の上に文章(日本語)が入っていたり、「ふきだし」が入っている【ユニット作品】だと、『個展』という打ち出し方は、いろいろと成立させるのが難しいんですね。

 

ここでの「まとめ」は、「セパレート作品は、ジャンルが違おうとも、セパレート作品を参考にした方がいいよね」です。

 

 

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▼ そんなこんなで明日の記事をお楽しみに

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① 「定番絵本は新規ファンを獲得し続ける(作品の認知を増やし続ける)」

② 「セパレート作品は、ジャンルが違おうとも、セパレート作品を参考にした方がいいよね」

この二つを下地にして、明日の記事『キンコン西野の新作絵本 〜衝撃ハチャメチャ大作戦!〜(後編)』をお楽しみください。

 

予習(復習?)として、「N F T」を頭に入れておいてください。

 

明日は面白くなりそうです。

ぶっちぎります。ムフフ……

 

 

現場からは以上で〜す!

 

 

【追伸】

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